相続税の物納が認められる時
相続税の物納が認められる時
相続税には、現金一括での納付が困難な人のために「延納」と「物納」という2つの制度が設けられていますが、これらを利用する場合には注意が必要な点があります。
それは、これらの制度は任意でどちらかを選択できるわけではなく、延納での納付が優先され、物納は分割納付でも困難なときに限って認められるということです。
延納で済むかどうかの判断が難しい場合は、税理士などの専門家に相談をしましょう。
財産での納付については、相続人で自由に対象を決められない点にも注意が必要です。
対象にできるのは、日本国内に存在する相続財産に限られており、種類については不動産や船舶、債権、上場株式といった比較的価値の高いものや価値の算出が容易なものが最優先となります。
もっとも優先される財産を持っていない場合は上場されていない株式などの中から対象を選ぶことになり、有価証券を持っていない場合は自動車や美術品などといった動産の中から納める財産を選ばなければなりません。
死亡者にクレジットカードの未払いがあった場合は相続人に支払い義務がある
亡くなった人がクレジットカードを所有していた場合、支払いが済んでいない代金がある場合は相続人が残りを支払わなければなりません。
遺産相続では、金銭や物品などの価値がついている財産だけでなく、借金などの負の財産も引き継ぎの対象になるためです。
通常は、カード会社からは一括で支払うよう求められますが、あまりにも多額ですぐに払い込むのが難しい場合は分割払いを認めてくれる場合があるので、カード会社には必ずどう対応すべきかを尋ねましょう。
一方で、クレジットカードの契約についてどのように扱われるかも気になるところですが、カードは本人以外の者が利用することはできないことから、原則として相続人の誰かが解約手続きを行うことになります。
死亡に伴う解約の場合は、カード会社から死亡したことを示す書類の提出を求められます。
戸籍全部事項証明書や住民票の除票、医療機関で作成された死亡診断書などを用意して、解約の手続きを行いましょう。